朝の送迎の車内で、なんとなく座りにくそうにしている。お着替えのときに、いつも同じところで手が止まってしまう。このような見過ごされがちなお子さんの「困りごと」に、日々向き合っているスタッフたちがいます。
ライフウェルのリハビリテーション部は、そうした一つひとつのサインを専門職の目で拾い上げ、子どもと家族の毎日を少しずつ楽にしていく部署です。
今回は私たちの活動の目的や内容、お子さんと向き合う上で心がけていることをご紹介します。
ライフウェルのリハビリテーション部について

ライフウェルのリハビリテーション部は、重症心身障がい児であるお子さんたちの「困りごと」に向き合うために、あらゆる対応策や接し方、向き合い方について日々情報共有を行っています。
特別なことをするというよりも、まずは暮らしの中の小さなサインを拾い上げることから始まります。
生活のあらゆる場面に潜む「困りごと」を見つける
重症心身障がい児童の1日には、専門職が目を向けるべき場面が数多くあります。
たとえば、送迎中の車内での姿勢、送り迎えの合間にお母さんから聞く家庭での困りごとや暮らしの環境、遊びの時間のおもちゃ選びや発達段階の見極め、施設で過ごすときの椅子選びや参加のしやすさ、製作活動で使う道具選びと関わり方、昼食時の姿勢や食具のサイズ、食事の形態、着替えやトイレの動作・・・
このように、挙げればきりがありません。
また、「困っている」と本人や周囲がまだ気づいていないケースでも、専門的な視点でていねいに観察し、必要であれば専門機関につなぐきっかけをつくることも、大切な役割のひとつです。
療育の時間を、家庭での安心につなげる「24時間ケア」

療育の時間は、生活のさまざまな要素が凝縮された時間でもあります。ここで着替えに苦戦しているなら、家庭でも同じように苦戦しているかもしれない。姿勢が崩れやすいなら、他の時間も同じ姿勢で過ごしているかもしれない。
そうした視点を持ちながら、療育中に見つかった変化を家庭生活につなげていきます。
「こういった場面でこんな動きをしてみたらすごく良かったので、少しずつお家でもできる方法を一緒に考えていきましょう」。
そんな声かけを大切にしながら、保護者と二人三脚で、日常生活に落とし込みやすい形に変換して伝えています。
一人ひとりに合わせた「オーダーメイド」の支援
医療の世界では、科学的根拠に基づく「エビデンスベースドメディスン」という考え方が広く浸透しています。
ですが小児分野は個別性がとても高く、既存の研究結果をそのまま目の前の子どもに当てはめても、うまくいかないことが少なくありません。
だからこそ、科学的根拠と、一人ひとりの子どもと向き合ってきた経験や価値観を統合しながら、その子に合った支援のかたちを考えています。
姿勢保持具(ポジショニング用のウレタンフォームなど)を使った支援も、こうした考え方から生まれた取り組みのひとつです。
支援を支える組織づくり

良い支援を特定のスタッフの経験だけに頼らないために、部署全体で学び合い、質を底上げする仕組みづくりにも力を入れています。
多様な経験と学び合う研修体制
リハビリテーション部には現在20名弱のセラピストが在籍し、小児分野以外での経験を持つスタッフも数多くいます。
特定の分野に偏らない多様な視点が、時に新しいアイデアにつながることもあります。
2026年度は月に1回のZoom研修会を実施し、子どもの正常発達についての学習に加え、療育経験の長いスタッフが中心となって一人の子どものケースを詳しくまとめ、どこに着目し、どう評価し、その内容をどう解釈して支援に落とし込んでいくかという一連のプロセスを、他のスタッフと一緒に振り返る機会を設けています。
今後はウレタンフォームなどの道具を使った姿勢支援やポジショニングの実践研修も予定しており、知識だけでなく実践のレベルでも底上げを図っています。各拠点には療育経験の長いスタッフを1名以上配置し、スーパーバイザー体制も整えました。
保育園・学校との連携
担当者会議での情報共有に加え、保育園や学校への相互見学も頻繁に行っています。訪問先で実際に使ってもらう道具を一緒に作るなど、現場に根ざした具体的な支援の橋渡しも大切にしています。
今後の目指すべき姿

リハビリテーション部の発足前は、各事業所同士の距離による情報のやり取りのしづらさがありました。
部の発足によって、事業所の間で共通認識が生まれ、それぞれの拠点で培われてきた工夫やアイデアが共有されるようになりました。
今後は、特定の個人に支援の質が依存しない組織づくりを進め、スタッフ全員が同じ理念を理解し実践できる一定のラインに到達すること、そしてそこからさらに新しいアイデアが生まれる循環をつくることを目指しています。
児童発達支援ガイドラインが示す「5つの領域」
こども家庭庁(厚生労働省)の児童発達支援ガイドラインでは、支援にあたり「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」という5つの領域から子どもの状態を把握することが示されています。
理学療法士や作業療法士等の専門職には、これらの領域を網羅した総合的な評価に加え、専門性に基づいた重点的な支援を行う役割が期待されています。
リハビリテーション部が大切にしている「生活場面ごとの困りごとの観察」は、こうした枠組みを現場で具体化した取り組みといえます。
放課後等デイサービスの5領域とは? ライフウェルで行っている児童発達の個別支援をご紹介!
まとめ
子どもの「困りごと」に気づき、療育の時間から家庭や学校までつなげていく。一つひとつの積み重ねの先に、リハビリテーション部が目指す「専門性をみんなの標準にする」という姿があります。
オーダーメイドの支援と、拠点を越えて学び合う組織づくり。この両輪があるからこそ、どの拠点でも、どのスタッフが担当しても、安心して同じ質の支援を受けられる環境を目指せると考えています。
今後もライフウェルでは、一人ひとりの子どもと家族に寄り添う支援を、チームとして育てていきます。
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