平野さん(作業療法士)

——自己紹介をお願いします。

作業療法士として、二本木事業所に所属しています。二本木事業所は児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型事業所で、主に重症心身障がい児のお子さんたちを受け入れています。
ライフウェルには入社して10年になりました。

——入社理由を教えてください。

もともとライフウェルの関連法人が運営している介護施設に勤めており、小児分野で働いてみないかというお話をいただいたのがきっかけです。

地域に密着した事業所で、ご利用者さまの生活により近いところで関わりをもてるのは魅力的でお引き受けしました。お子さんのリハビリに興味があったというのもありますね。

——仕事内容について教えてください。

主にセラピストとして、お子さんたちの訓練に携わっています。身体をほぐすストレッチや筋肉の緊張を維持できるような訓練、運動発達を促す訓練など、お子さんに適したものを提案していきます。

その他に食事や排泄など、お子さんの生活に関わる介助全般も行います。私は在籍が長く現在課長職を務めているので、事務的な業務もあります。

——介護施設での働き方と小児分野での働き方の違いはありますか?

働きはじめた時、コミュニケーションの取り方は工夫が必要だと感じました。
それまで、言葉が発せない、コミュニケーションの手段が少ないお子さんと関わった経験が少なく、どのようにやりとりをして良いのか、はじめは悩みました。

何だか険しい表情をしている事はわかるけれど、何が原因なのか見当がつかないというような事もありました。
しかし、一人一人の子どもたちの支援を行い、日々やりとりをする中で注意深く観察していくと、些細な表情の変化や手足のちょっとした動き、声の出し方などがその時々で違うことに気づきました。

こんな表情や声の出し方の時はどんな気持ちなのかと、スタッフ同士で話しあい、保護者に尋ねて確認する事などを繰り返し、徐々に一人ひとりの表現の方法を知っていきました。

こどもたちが表現したことをくみ取り、気持ちが伝わる経験を積み重ねていくと、子ども達は安心するのか、更にいろんな表情を見せてくれるようになります。
笑う表情の中でも、大爆笑!とか、にやりと笑うとか、得意げに笑うとか、ですね。日々のかかわりの中で、今まで見たことのない表情や反応を見つけた時はとても嬉しい気持ちになります。

また、遊びを通してのコミュニケーションも重要です。

それを実感したのは、ベテランの保育士さんが子供たちと自由遊びをしている時です。
その保育士さんは、こども達が楽しめそうな遊びをいくつか提案し、一緒に決めて、全力で一緒に遊んでいました。水遊びやままごとなど、子供たちは夢中になって遊び、今まで見たこともないような笑顔で笑い転げるような様子もありました。

重症心身障害をお持ちのこども達にとって、学校以外の過ごしの場所は、まだそう多くはないと思います。
こども達がこどもらしく笑って遊び、安心して楽しくすごせる場所を増やしていきたい!と強く感じました。

また、こども達は遊びの中で様々なスキルを身につけていきます。セラピストとしても、楽しい遊びの中で、一人一人の発達の段階に合わせて色々なスキルを習得できるように関わる事が必要だと感じています。

——仕事で大切にしていること(こだわり)を教えてください。

子どもたちの将来を見据えて関わるように心がけています。
将来どのような環境でどのようにすごすのか、できるだけ具体的にイメージし、お子さんたちが大人になったときに、周囲の人との信頼関係の中で、安心してより快適に生活していくために、今どのように関わるべきかを考えています。

お子さんは身体だけでなく、心も発達していきます。セラピストとして身体的なケアはもちろんですが、療育者としても同じ思いをもってお子さんたちに接しています。

お子さんが苦手でやりたくないと感じることの中には、将来を考えると今の段階から経験しておいた方がいいこともあります。無理強いはしませんが、こども達の成長をサポートしていきたいと考えています。
一緒に楽しみながら、少し苦手な事にも挑戦し、必要なスキルが身につけられるよう、支援の方法を常に考えています。

——どのような職場ですか?

二本木事業所は、児童発達支援事業所と放課後等デイサービスの運営を行っています。施設は広々としており、ブランコやトランポリンなどの大型遊具で遊ぶ経験ができます。

作業療法士や理学療法士、看護師、児童指導員とお子さんの療育をサポートする知識を持った職員が集まっています。

10年以上在籍しているベテランの職員もいますし、他業種から転職されてきた方もいたりといろいろな方がいます。
お互いにサポートし合ったり、お子さんに関する情報交換や事業所の運営について話し合ったりと、良い関係性で働けていると思います。

——今後の目標を教えてください。

セラピストというと、医療機関で関わるイメージがあると思いますが、ライフウェルのような、福祉の場でも求められる存在になりたいと思っています。

また、重症心身障がい児のお子さんにとって、ライフウェルは学校以外でのお友達やスタッフと関わる場でもあります。いろいろな経験や楽しみが見つけられるような場所を作っていきたいですね。

——最後に、応募者へメッセージをお願いします。

今現在ライフウェルでは、はじめて小児分野で働く方でも知識や技術が身に付くような環境を整えています。

また、児童発達支援や生活介護を運営している事業所もあるため、0歳から18歳以降の成人している方にも関わる機会があり、お子さんが成長していく中でそれぞれのライフステージに応じたかかわり方や過ごし方を学べる研修機会も設けています。

私も小児分野での勤務はライフウェルが初めてでしたが、これまでの経験をいかしながら、また先輩方にもサポートいただき、長年この仕事に携わることができています。
子どもたちが楽しく過ごせる場所を一緒に作っていきましょう。