ライフウェル

ライフウェルで行っているリハビリの事例を紹介!具体的な支援内容を徹底解説

小児分野ではリハビリを行うことで、より良い状態での発達を促す目的もあります。
適切なリハビリを行うことで将来的な自立支援にもつながり、利用者さま本人がご自身でできることも増やせるでしょう。

今回はライフウェルで実際に行っているリハビリの事例を詳しく紹介していきます。
ライフウェルでは、動作のリハビリ以外にも補装具の使用や姿勢の保持、利用者さま本人が自発的に物事を考え、自立していくための支援などさまざまな取り組みを実施しています。

リハビリの具体例を紹介

実際にライフウェルを利用されている方の事例を取り上げて詳しくご紹介します。

ケース1:楽しい活動参加に繋げる為の姿勢に対する支援

年齢4歳
疾患名末期腎不全、慢性心不全(低酸素脳症)
利用開始時の状況医療支援センターの紹介で当施設を利用し始めました。当初は、バイタルが安定せず、活動中も緊張が入ってなかなかリラックスして参加ができない状況でした。
保護者からの希望体調面に注意しつつ、楽しい体験ができる機会を作っていきたい

全体像


全身的に筋緊張が高まりやすく、体を固めてしまいやすいため、普段は丸まった姿勢で過ごすことが多く、手も握りこんでいます。
また、気管切開をされており、痰の吸引や吸入を必要とし、腎不全の影響で夜間透析も行っています。
栄養摂取も経管栄養であるなど多くの医療的ケアが必要なお子さんです。

リハビリテーションの支援目標

  • 横になった姿勢の中で筋緊張が入りにくく、入っても自力で抜きやすいようなリラックスした姿勢を検討する。
  • 1日中同じ姿勢にならないように姿勢のバリエーションを増やしていくことで、関節が硬くなったり、 変形が起こることを予防していく。

具体的な支援内容

普段から同じ姿勢で過ごすことが多いので、姿勢のバリエーションを増やしていくためにリラックスしやすい姿勢や横向きの姿勢の検討を行いました。
まずは、ライフウェルで過ごす時間にクッションやタオルを用いた姿勢設定を行い、姿勢の変化をつくっていきました。

慣れてきたら保護者にも伝達を行い、自宅にあるクッションやタオルを持参してもらって姿勢設定を確認し、自宅で過ごす時間に取り入れてもらいました。

1日の流れ

具体的な1日の事例を紹介します。

10:00ご自宅からの市販のカーシートに乗って来られますが、どうしても移動時に緊張が入ってしまう時間が長くなってしまうため、来所時には、まずリラックスできるようにクッションなどを使用して姿勢の調整を行います。
少しゆっくりしていただいた後に、その日の本人の状況に合わせて、手や足のストレッチを実施したり、横向きやうつ伏せを取って背中を伸ばす体操を実施したりしています。
その後は、主活動に参加するまで一緒に絵本を見たり、スイッチおもちゃで遊んだりして過ごしています。
10:30お集まり
11:00〜主活動では内容に合わせて、さまざまな姿勢を選択したり、手の動きをお手伝いを行っています(制作や運動遊び、お散歩など)。
主活動に参加した後は、注入を行うためにクッションチェアに座って過ごします。
注入後はしばらく姿勢を変えられないため、そのままの姿勢でゆっくり過ごしていただき、姿勢が変えられるようになったら、再び本人の様子を見ながら、遊びの内容に合わせて参加しやすい姿を取るようにしています。
13:30帰りの会
14:00ご家族がお迎えに来られます。

支援によるお子さんの変化

楽な姿勢を取ることで、バイタル(酸素量や心拍数の値)が安定し、起きていても表情が穏やかになり、時折笑顔も見られるようになりました。
活動の時間に周囲に意識を向けやすくなり、変化にしっかり気が付いたり、手を伸ばす、握るなどの動作が行いやすくなってきています。
自宅でも取り入れてもらっていることで、姿勢を変えられることに慣れてきて、新しい姿勢の受け入れも良好になりつつあります。

今後の目標

現在は仰向けや横向きの姿勢のみですが、今後は呼吸が安定したり、変形が予防できるうつ伏せの姿勢の練習も行い、最終的には自宅でも取り入れられるようにしていきたいです。
目的に合わせていろいろな姿勢を選択して取ることができれが変形の予防だけでなく、活動の幅も広がっていくと思うので引き続き姿勢に対する支援を継続していきます。

ケース2:高校卒業(就労)に向けての支援

年齢17歳
疾患名脳性麻痺・痙性四肢麻痺・てんかん
利用開始時の状況10歳の時に当施設を利用しはじめました。
保護者からの希望できる事は、自分の力でやれるようになるといい。
必要な場面(困った時、分からない時)で、しっかり助けが求められるといい

全体像

車いす移乗、自走、トイレ動作、入浴での洗体、洗髪動作は可能ですが、実生活での経験が少ないことにより 積極的な声かけや促しがないと自ら取り組むことが少なくなっています。
学校では車椅子上での活動が多いことや、腰背部から下肢の緊張が高いこともあり、痛みを訴える場面もみられます。
手指の細かい動作に拙い部分はありますが、自分の名前を漢字で書いたり、一桁の足し算などが可能です。スタッフや他児との関係も良好で、面倒見もよく笑顔の多い明るい印象です。

成長に伴い体重が増え、体を支持する筋力が伴わず意欲の低下により活動量が軽減する時期もありましたが、立位での活動で高い視点を経験したことにより意欲が沸き、歩行練習なども取り組むようになっています
就労するにあたって、介助量を軽減する必要があるので学校や関係機関と連携を図りサービスを提供しています

リハビリテーションの支援目標

  • 身の周り動作自立に向けて自ら動けるようになる
  • 社会性を身につける

具体的な支援内容

体幹強化、胸腰部ストレッチを目的に、丸椅子にて棒を両手で持ち上下に動かす運動や、つかまり立ちにて高い所にある風船にタッチしてバランスを保つ練習を行い、つかまり立ちの安定の強化を行いました。

日常生活において、身近な大人に判断をゆだねることが多く自己決定が難しい部分もあります。
そのため、自己決定ができるような声掛けや、できないことに対し自ら助けを求められるような課題設定、支援を行いました。
取り組みの中で食べたい物、買いたい物を自分で選びお金を払うというお買い物体験をする機会を設けた際は、できない部分ではスタッフに助けを求めながら一連の流れを自分で行うことができました。

支援によるお子さんの変化

支援の結果、排泄をする際に手すりを使用してズボンの着脱や流し台を支えにしてお弁当箱を洗ったり、はみがきをしたり自分でできることが増えました。

つかまり立ちの練習を始めたことで、自分でできることがたくさんあると知り、積極的に「立ちたい」などの声が見られるようになりました。
立位での活動が増えたことにより歩行練習への意欲につながっていると感じます。

今後の目標

高等部卒業後を見据えて生活動作の介助量軽減につながる支援や自己決定が行えるような声掛け・支援を継続して実施していきたいと考えています。
また、家族の負担軽減につながる、介助方法の伝達も実施していきます。

まとめ


今回は実際のケースに触れながら、ライフウェルの取り組みをご紹介してきました。
お子さん一人ひとりの状態に合わせた支援だけではなく、その日の体調や成長に合わせて支援内容は日々工夫しています。

特に姿勢の保持では、お子さんが活動に参加しやすい姿勢や体が痛くなりにくい楽な姿勢を取れるようにクッションやチェア、タオルなど身の回りのアイテムを使用しています。
ご家族の負担も軽減できるよう、ご希望を伺いながら現場をお伝えすることも大切な役割です。

ご利用を考えている人やリハビリについて興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

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