障がい児支援

ライフウェルの「遊び」に対する支援|スイッチおもちゃの取り組みをご紹介!

全てのお子さんにとって欠かせない遊びによる発達ですが、障がいを抱えているお子さんは遊べるおもちゃや環境が限られていることから、幼少期に遊ぶ経験が不足してしまうこともあるでしょう。

ライフウェルでは遊びを通して「できた!」「またやってみたい」と感じられる経験ができるよう、個々にあった遊べる方法を普段から提案しています。

今回は遊びに対する支援の一環として行っている、スイッチおもちゃの取り組みについて紹介します。
遊びの重要性や実際の取り組み内容や効果を解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

子どもの発達にはなぜ「遊び」が大切なのか


子どもは遊びの中で運動、感覚、知覚、認知、言語、情緒、社会性などの機能を総合的に発達させていきます。そのため、幼少期に遊びを経験できることは将来の成長にも大きく関わります。
特に意図的に行われる勉強ではなく、発育に応じて遊びの中で得る気づきや学びを、後から補うことは難しいといえます。

これは障がいのあるなしにかかわらず必要な経験です。
障がいがある子どもたちの発達においても、遊びとの関わりは原則的に発達に障がいのない子どもたちと変わりません。
子どもたちが日常的に経験している遊びを、障がいを抱えている子どもたちがどう同じように経験させていくか、ということが大切です。

障がいのあるお子さんは遊びが不足しがち

障がいを抱えるお子さんは、障がいのないお子さんが使用する一般的なおもちゃや環境で遊ぶことが難しいことも多いでしょう。

重度の障がいでは、視覚障害を抱えおもちゃ自体の認識が難しい場合や、寝たきりの状態でおもちゃを持つことが難しい場合も考えられます。
ご両親もお子さんとどう遊んだら良いかわからないといった悩みを聞くこともありました。

そのため、一般的なおもちゃや遊びが難しく、結果的に遊びが不足してしまうのです。

ライフウェルの「スイッチおもちゃ」の取り組みについて紹介

ライフウェルでは「遊び」の支援の一環として、IT活用支援の「スイッチおもちゃ」を導入しています。
「スイッチおもちゃ」は、電動のおもちゃや電子機器を改造して外部スイッチを取り付けられるようにしたもので、自由遊びや活動の時に使用しています。

導入の目的

お子さんによってIT機器を導入する目的はさまざまですが、まず、「スイッチを押したから何か起きる」といった因果関係を理解する手助けをする目的があります。

光ったり、音が鳴る市販のおもちゃを改造してスイッチを取り付けることで、お子さんの持っている能力を活かした簡単な操作で遊ぶことができます。これにより、気づきを促しやすく、楽しみやすくなります。また、自分の力で遊ぶことで、達成感が得られやすく、因果関係の理解や手や足の操作性を向上させることにもつながっていきます。

実際のおもちゃを紹介

トンピー

トンピーは熊の人形が太鼓を持っているおもちゃです。
スイッチを押すと、トンピーが太鼓を叩いて左右に揺れたりするので、動きや太鼓を叩く音を楽しんでいます。
目がある程度見える子どもたちを中心に、スイッチおもちゃの導入として使用されています。

ぶるぶるカエル

ぶるぶるカエルは元々マッサージマシンでした。
手や足を乗せたり、全身で抱えこむなどした状態でスイッチを押すことで振動を感じて楽しむことができます。
視覚に障がいを抱えていても、視覚以外の反応で自分が外に向けて起こしたアクションに対する変化を得られるため、知覚・認知の遊びとして活用しています。

スイッチミラーボール

スイッチミラーボールはスイッチを押すことで、強い光の動きを楽しむことができます。
光遊びが好きなお子さんを対象に使用しています。

シャボン玉マシーン

公園など出かけた先でシャボン玉遊びができるおもちゃです。
シャボン玉を吹くことが難しいお子さんが多くいますが、障がいを抱えていないお子さんと同じ遊びを楽しめるおもちゃになっています。

ミニ扇風機

スイッチを押すと扇風機から風が出るおもちゃです。
風を体で感じる、感触系の遊びを体感できるおもちゃになっています。

改造マウス

スイッチを使用してマウスのクリックを再現しています。
パソコンの画面ではクリックすると絵本のページがめくれたり、好きな動画が再生できたりするものはさまざまあるため、パソコンを使って楽しむためのおもちゃです。

絵本や動画などを楽しんだり、人とのコミュニケーションをとることが好きでも、身体の障がいが重くなかなか思うように楽しめない方に対して使用することが多く、将来的に本格的なIT機器の活用に向けたきっかけとなればと考えています。

バッティングマシン

スイッチを押すとボールが飛び出すおもちゃです。
的を狙ってボールを発射させることで、的が倒れたり、ものに当たったりと変化が大きいおもちゃになっているため、遊びの中で得られる気づきにも繋がりやすくなっています。

「スイッチおもちゃ」の導入を始めたスタッフにインタビュー!

「スイッチおもちゃ」の導入に携わられた中村さんにインタビューを行いました。
取り組みを始められた経緯や今後に対する思いもご紹介します。

スイッチおもちゃの取り組みを始めたきっかけはなんですか?

重度な障がいのあるお子さんたちと関わっている中で、障がいを抱えていても他の子どもたちと同じおもちゃで遊ぶ経験をしてほしい、と考えたことがきっかけです。
また、おもちゃで遊ぶ子どもたちの姿を保護者にも見せてあげたいという気持ちもありました。

近年では普通の小学校でもipadやパソコンを取り入れているほど、IT活用はメジャーなものになってきました。
発達支援でもさまざまなものに応用されているため、将来的に使っていくのであれば、早い段階からまず触れていくのも良いのではないかと思っています。
ITに触れる最初のきっかけにもなればいいですね。

スイッチおもちゃの開発で行っている工夫はありますか?

導入段階なのでさまざまな工夫をしています。
例えば、現在使用しているスイッチは上から押すだけじゃなく、横から当たっても反応する反応性の良さでも選びました。見た目も丸く可愛いらしいイメージでカバーも好きな色に変更できます。

現在は大きいスイッチなどさまざまなスイッチを試していますが、子どもたちの中で「スイッチを押すと何かが起きる」という因果関係がつながってきた際は、お子さんに応じてスイッチのやり方を変えていきたいと思っています。
場合によっては、押すタイプではなく紐を取り付けて引いて反応するタイプなどお子さんの状況に合わせて変えていくため、あくまで今のスイッチはわかりやすい、使いやすいものを使用しています。

スイッチおもちゃが苦手なお子さんもいますか?

苦手なおもちゃを使用しないようには心がけていますね。
スイッチおもちゃを導入する前には、全面的に介助して遊ぶ中でお子さんそれぞれの好きな感覚や苦手な感覚を把握し、それらをもとに適したおもちゃを選ぶようにしています。
また、スイッチおもちゃを導入するに当たってスイッチやおもちゃ自体に興味を持ちやすく、大好きになってくれそうなものは何なのかということをつねに考えていますね。

実際に導入してみて、一緒に遊んでいく中で、あまり良いリアクションが得られない時にはすぐに中止して、違うおもちゃに切り替える等子どもの反応をしっかり確認しながら導入していきます。

今後実施したいスイッチおもちゃの支援はありますか?

最終的にはおもちゃだけではなく、生活の中でも取り入れていきたいと考えていますね。

スイッチ自体がおもちゃに限らず、電動で動くものや電池で動くものに関しては、基本的には何でも応用が効きます。
例えば、調理をする時、ミキサーに取り付けて使用したり、制作活動でも応用して行けたらいいですね。追求を続けることで、子どもたちが体験できること全般に対して自由な発想で広げていきたいです。

最終的に「子どもの役割」につながったら嬉しく思います。
コーヒーミルにスイッチを取り付けて、お子さんが親に対してコーヒー豆をひいてあげられたり、スイッチを押すことで前に進む移動支援にもつなげていけたり、将来性は幅広いと考えています。

スイッチのおもちゃは最初の入り口だと思っていますよ。

ライフウェルの「遊び」の支援

ライフウェルでは「スイッチおもちゃ」以外にもさまざまな遊びに対する支援を行っています。
遊びの重要性は自分自身とそれ以外の人や物、 空間とつながりを強めていく活動でもあり、気づきを与えるものでもあります。

おもちゃに限らず、吹いてきた風に対して嬉しい、雨水の音が楽しいといった日常の風景でも子どもたちにとっては遊びになることもあるでしょう。
ライフウェルではいろいろな刺激に対して、子どもの目線に立ってきちんと気づけることを大切にしています。

日常の気づきをきっかけにブランコやトランポリンなど遊具を使用した遊びや、スライムや形に変化のあるおもちゃを使用した感触遊びなどお子さんの好みに合わせた遊びの支援を行っています。

まとめ

今回は遊びに対する支援の一環として行っている「スイッチおもちゃ」の取り組みについて紹介しました。

「スイッチおもちゃ」を使用した遊びの支援では、障がいを抱えている子どもたちの課題と関連づけて展開していくことで、幅広く応用することが可能です。
IT導入のきっかけとしたり、遊びを通して成長を促したり、スイッチを使用して生活の豊かさを求めていくことに意味があるでしょう。

ライフウェルでは他にもさまざまな支援を実施していますので、どのように遊んだらわからない、「スイッチおもちゃ」で遊んでみたいという方はぜひライフウェルの支援をみてみてください。

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